FXの損益を分けて確認するガイド
スワップポイントを受け取っても損する?
為替差損と総損益の計算
スワップポイントがプラスでも、取引全体が利益になるとは限りません。保有中の為替差損益、決済までに積み上がるスワップ、スプレッドなどの取引コストを合わせて初めて総損益が分かります。数字を別々に並べると、受取りだけで判断しにくくなります。
総損益は「価格・スワップ・コスト」の合計
建玉を決済した時点の損益は、価格が動いた分だけではありません。保有中に発生したスワップの受払いと、取引にかかったコストをあわせて確認します。スワップは日々変わり得るため、保有開始時に見た1日分の数字をそのまま累計額にできません。
総損益 = 為替差損益 + 累計スワップ − 価格差に未反映の取引コスト
取引コストにはスプレッドや手数料などがありますが、この式で別に差し引くのは、為替差損益にまだ反映されていない項目だけです。約定価格に含まれるスプレッドは重ねて引かず、明細で別請求の手数料などを確認します。
買い建玉なら、決済価格が建値より下がれば為替差損が生じます。売り建玉なら方向は反対です。スワップの符号がプラスかマイナスかとは、別の要因として考えます。
受取りがあっても損失になる架空例
次は計算方法だけを示す仮定です。実際の金利、レート、スワップ、取引コストを表すものではなく、保有や取引を勧めるものでもありません。
| 基準レートの仮定 | 1万通貨を150円で買い、149円で決済 |
|---|---|
| 価格差による損益 | (149円 − 150円)× 1万通貨 = −10,000円 |
| スワップ | 1日150円と仮定し、30日分で +4,500円 |
| 取引コスト | この小計には含めない(実取引では別途確認) |
| コストを含める前の小計 | −10,000円 + 4,500円 = −5,500円 |
この例では、30日分の受取りがあっても価格差による損失を埋められません。実際には毎日のスワップが一定とは限らず、スプレッドや手数料もあり得るため、単純な日数計算で損益が確定するわけではありません。
スワップの受取りは、為替変動の損失を補う保証ではありません。相場が急変したときは、証拠金を上回る損失が発生するおそれがあります。
約定価格に含まれるスプレッドを二重に数えない
スプレッドは売値と買値の差です。実際の約定価格を使って為替差損益を計算しているなら、その差の影響がすでに価格差に含まれていることがあります。そのうえで「スプレッド分」をもう一度引くと、同じコストを二重に計上してしまいます。
反対に、基準レートだけで概算している場合は、実際の売値・買値との差を別途考える必要があります。取引画面や取引報告書の約定価格、スワップ明細、手数料の記載を分けて確認すると、合計の根拠を追いやすくなります。
計算時の確認順
- 建値と決済値が、実際の約定価格か基準レートかを確認する。
- 累計スワップは、受取り・支払いの符号を含めて集計する。
- 明細上で別請求の手数料などだけを追加で差し引く。
保有中にも、為替レートとスワップは変わる
スワップポイントは各国の短期金利などを背景に変動し、受取りから支払いに変わる場合があります。為替レートも政治・経済や金融政策などさまざまな要因で変動します。保有日数を増やせば必ず受取りが積み上がる、あるいは価格差損が小さくなる、と決めつけることはできません。
金融庁は、相場急変時にはスプレッドが広がり、意図した価格で取引や決済ができない場合があると案内しています。比較表の過去の1日分は、将来の損益を保証する数字ではありません。